高校受験の問題はもちろん、面接等でも理科の時事問題に関する質問が増えています。
理科の時事問題を問う高校側からすると、時事問題を問うことによって普段からどれだけ理科に興味を持っているかと言うことが試せます。
この記事では、2025年の高校受験で役立つ「2024理科の時事問題」について紹介します。
以下は僕の自己紹介です。
時事問題の対策をするメリット
理科の時事問題を知っているかどうかで受験生の間で点差をつけることができるので、受験生に差をつける方法として非常に有効だといえます。
見方を変えれば、時事問題の対策をしておくことによって「他の受験生に大きな差をつけること」ができるとも言えます。
高校受験の問題そのものでの出題は無くても、面接で「最近気になったニュースはなんですか?」と聞かれたときに理科の時事問題をテーマにすることによって、面接官に好印象を得ることができると考えられます。
時事問題の対策をすることは、高校受験において大きなメリットを生みだします。
2024理科の時事問題キーワード
はやぶさ2【要注目!】
はやぶさ2については2022年に様々な発見がありました。
はやぶさ2は、JAXAと言う日本の機関がメインとなって行われているので、日本国内の科学者にとって「非常に注目度が高い」研究です。
国内での研究発表や展示会が多く行われていることからも、注目度の高さが伺えます。
新型コロナウイルス
新型コロナウイルスに関することは、新型コロナウイルスそのものよりも感染症に関する内容と結びつく知識を身につけるべきです。
例えば、感染症対策に力をつくした人物について。
次期、千円札に描かれる北里柴三郎氏(破傷風の血清療法を確立)や野口英世氏(黄熱病の研究)なども押さえておきましょう。
また、2023年の8月1日は「厚労省が国産コロナワクチンを初承認」というニュースもありました。
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会は7月31日、第一三共(東京都中央区)が開発した新型コロナウイルスワクチンの製造販売の承認を了承した。厚労省は近く正式に承認する見込みで、国内の製薬企業が開発した新型コロナワクチンでは初めて。
要チェックです。
SDGs
SDGsの17の目標すべてを暗記するほどの知識は求められませんが、課題の解決について自分の意見を求められる問題が出題される可能性は十分あります。
エスディジーズをアルファベット4文字で答えられる中学生は少ないはずです。
また、SDGsは「持続可能な開発目標」ですが、答えられる受験生は少ないはずです。
アルファベット4文字で書けるかと持続可能な開発目標の2点は確実の押さえておきましょう。
SDGsの17の目標
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任、つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
ノーベル賞
科学と言えば、ノーベル賞と言っても過言ではありません。
ノーベル賞受賞者が発表される時期が10月という下半期であることもあり、ノーベル賞が高校受験で聞かれる可能性は無視できません。
スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は、10月2日~10月4日に、2023年のノーベル生理学医学賞・ノーベル物理学賞・ノーベル化学賞の受賞者を発表。
2023年ノーベル生理学医学賞
独バイオ企業ビオンテック顧問のカタリン・カリコ氏と、米ペンシルベニア大のドリュー・ワイスマン教授が選ばれた。新型コロナウイルスに対する「m(メッセンジャー)RNAワクチン」の実用化につながる新たな技術を開発した。
2023年ノーベル物理学賞
米オハイオ州立大のピエール・アゴスティーニ氏と、独マックス・プランク量子光学研究所のフェレンツ・クラウス氏、スウェーデン・ルンド大のアンヌ・ルイリエ氏が選ばれた。1秒の100京分の1の「アト秒」という極めて短い時間を観察する画期的な技術を開発した。
2023年ノーベル化学賞
米マサチューセッツ工科大のムンジ・バウェンディ氏と米コロンビア大のルイス・ブルース氏、米民間企業の元研究者アレクセイ・エキモフ氏が選ばれた。数ナノメートルという半導体微粒子「量子ドット」の発見と開発を行った。
日本人の研究者がノーベル賞を受賞すると、問われる可能性が高まりますが2023年は残念ながら受賞者がいませんでした。
日本人研究者に注目すると、最新は2021年に真鍋淑郎氏がノーベル物理学賞を受賞しています。
「地球温暖化の影響を予測するコンピュータモデルの開発」によって、共同研究者のクラウス・ハッセルマン氏、ジョルジオ・パリシ氏と共にノーベル物理学賞を受賞しています。
少し前の話題にはなりますが、要チェックです。
マイクロプラスチック
マイクロプラスチックとは、風雨によって川などに運ばれて海に流れ込み、波などによって砕かれたり、紫外線で分解されたりして、小さくなったプラスチックごみを指します。
プラスチックは自然界では分解されないため、蓄積していきます。
マイクロプラスチックに関しては、2つの観点で問われることが多いです。
1つ目は、マイクロプラスチックが環境や人間の生活にどのように影響するのかを問う問題。
2つ目がマイクロプラスチックとの付き合い方を問う問題で、具体的にはレジ袋の有料化などに関する意見が求められるケースが多いです。
【地学分野】はやぶさ2関係のニュース
小惑星リュウグウの石に多量の水
2022年6月10日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームは、日本の探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから地球に持ち帰った砂や石に関する分析結果を公表。
それらには大量の水が含まれ、リュウグウのもととなる天体には大量の水があったと考えられるとのこと。
また別の研究チームは、ヒトが体内で作ることができないアミノ酸や、うまみ成分のグルタミン酸などを検出したとのこと。
リュウグウから新たな試料発見
2022年8月16日、探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から持ち帰った試料から、水や有機物を熱から守る働きをしたとみられる物質を見つかった。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)や海洋研究開発機構(JAMSTEC)などの研究チームが発表。
地球の水や有機物は他の天体から運ばれたという説があり、この物質の構造が水の起源や、有機物から生命が現れるまでの過程を解明するカギになる可能性があるという。
小惑星リュウグウに炭酸水?
2022年10月2日、日本の探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウで採取したサンプルに「炭酸水」があったと、研究チームが発表。
小惑星リュウグウのサンプルからは、アミノ酸のほか、リュウグウになる前の天体に大量の水があったと考えられることなどがこれまでに分かっている。
研究チームは、リュウグウを形成する鉱物にある小さな穴の内側に水分が含まれていることを発見。
この水を分析した結果、二酸化炭素を含んだ炭酸水で塩や有機物も含まれていることが分かった。
地球に小惑星などが落下したことで水や有機物をもたらしたとする仮説を補強する成果だとのこと。
リュウグウに太陽系誕生前のガス
2022年10月21日、日本の探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰った小惑星リュウグウの試料に、46億年前(太陽系誕生以前)のガスが含まれていたと発表された。
10月21日付の科学誌に掲載された。
リュウグウはもともとより大きな天体だった。もとの大きな天体はガスを含んだダイヤなどが材料となっていたと考えられる。
これまでの研究から、リュウグウができる前の大きな天体は太陽から遠い場所で誕生したことと考えられている。
ガスの分析から、リュウグウが今の位置に来たのは約500万年前と考えられることも分かったとのこと。
【物理分野】2024年度に出題されそうな時事問題
スパコン速度、米「フロンティア」3連覇
2023年5月23日、スーパーコンピューターの計算速度の世界ランキング「TOP500」が日本時間22日、独ハンブルクで開かれた国際会議で発表され、米オークリッジ国立研究所の「フロンティア」が2022年11月の前回に続きトップとなり、3連覇を果たした。同機は22年5月、史上初めて毎秒100京回(京は1兆の1万倍)を意味する「エクサ級」を達成している。理化学研究所の「富岳(ふがく)」は2位を守った。
機敏に動く多足ロボット開発
2023年6月7日、多足ロボットで直線歩行時に回転バネの硬さに応じて曲がったり蛇行したりしやすくなる不安定さを生かし、左右の移動や旋回などを省エネかつ機敏にこなす技術を大阪大学大学院基礎工学研究科の青井伸也教授(機械力学)らが開発した。今後、3次元での移動を制御できるように試作を重ねて、災害現場や惑星探査での実用化に近づけていく。
均一なナノ薄膜で酸化物半導体トランジスタを作製
2023年8月22日、均一なナノサイズ(ナノは10億分の1)の薄い膜を用いた酸化物半導体トランジスタの作製に、東京大学生産技術研究所の小林正治准教授(集積ナノエレクトロニクス)らのグループが成功した。素子を3次元的に積み上げる高集積化が可能となり、性能と信頼性も高いことから、ビッグデータを活用する社会サービスの展開などが期待できるという。
交通渋滞の長さを精度良く予測
2023年10月5日、交通渋滞の長さ(渋滞長)を精度良く予測する人工知能(AI)を、京都大学大学院情報学研究科竹内孝講師らと住友電工システムソリューション(SSS)の研究グループが開発した。警視庁が提供した交通ビッグデータで機械学習し、1時間先の渋滞長を40メートル以下の誤差で予測できるようになった。交通管制システムにおける本格的な運用に向け、評価試験などを実施して技術の信頼性を高めていくという。
【化学分野】2024年度に出題されそうな時事問題
二酸化炭素から室温でメタノールを合成
2023年5月11日、二酸化炭素(CO2)と水素を原料とし、室温でメタノール合成を促す触媒を、東京工業大学の北野政明教授(触媒化学)と細野秀雄栄誉教授(材料科学)らのグループが開発した。新触媒はパラジウム(Pd)とモリブデン(Mo)からなる金属間化合物。簡単に作れて耐久性も高いと見込まれることから、実用化の可能性があるという。
熱を運ぶ“粒子”、同位体の純度向上で効果高まる
2023年5月18日、固体では原子が規則正しく並んで結合しており、その振動が隣の原子へと移っていくことで熱が伝わる。この時の振動は、擬似的に粒子「フォノン」として捉えられる。フォノンは半導体などの熱伝導を考え、説明する上で重要な考え方だ。その伝わり方を実験と理論で詳しく調べ、グラファイト(黒鉛)で、中性子数が同じ同位体の純度を高めると熱がよく伝わることを発見し、これを支える現象の判断基準を明らかにした金や銀、白金などの貴金属と呼ばれる8種類の元素を全て混ぜた合金の開発に世界で初めて成功したと、京都大などの研究チームが発表した。
光を当てると光りながら溶ける有機結晶を発見
2023年6月15日、光を当てると色と強さを変えて光りながら溶けていく有機結晶を発見したと、大阪大学の研究グループが発表した。熱ではなく光で溶ける物質は知られてきたが、発光を伴うものは初めて。光り方の変化をみることで、溶ける過程や仕組みの理解が深まった。電子回路などを作る「フォトリソグラフィー」をはじめ、光で材料の特性を制御する技術への応用につながる可能性もあるという。
生物油脂の国際規格ジェット燃料
2023年6月29日、使用済みの天ぷら油から、生物系油脂を原料とする国際規格に適合したバイオジェット燃料を国内で初めて開発したと、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などが発表した。食用油の再利用や、航空分野の温室効果ガス排出削減につながる成果という。
「自己集合」を段階的に制御し、超分子の多層構造を合成
2023年7月14日、分子が自然に集まる「自己集合」のプロセスを段階的に制御し、「超分子」と呼ばれる微細な多層構造をつくる手法を、京都大学大学院工学研究科の杉安和憲教授(超分子化学)らのグループが開発した。この超分子は大きさが約200ナノ(ナノは10億分の1)メートル。
福島第一原発処理水の海洋放出開始
2023年8月24日、東京電力は2011年の東日本大震災で被災した東京電力福島第一原子力発電所から出た処理水の海洋放出を開始した。2023年度は合計約3万1200トンを放出する計画。処理水は、いまだ高温の原子炉を冷却した際に放射性物質で汚染された水を、多核種除去設備(ALPS)でトリチウム以外の核種を取り除いている。ALPSがどんな仕組みで働いているかを中心に、現状を改めて紹介しよう。
CO2だけ吸着する多孔性材料を合成
2023年9月26日、さまざまなガスの中から二酸化炭素(CO2)だけ吸着する多孔性材料を、京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)の北川進特別教授(錯体化学)や大竹研一特定助教(固体化学)らの研究グループが合成した。あたかもゲートを開くようにCO2を内部に取り込むが、大きさなどが似ている窒素や酸素、メタンなど9種類のガスは通さないという。
【生物分野】2024年度に出題されそうな時事問題
日本国際賞に光通信網大容量化
2023年1月24日、国際科学技術財団は24日、2023年の日本国際賞に、半導体レーザー励起光増幅器を開発して光ファイバー網の長距離大容量化に貢献した東北大学の中沢正隆卓越教授(70)と情報通信研究機構の萩本和男主席研究員(68)、光に反応するタンパク質を使い神経回路を調べる技術を開発した英オックスフォード大学のゲロ・ミーゼンベック教授(57)と米スタンフォード大学のカール・ダイセロス教授(51)の4氏を選んだと発表した。
奈良のシカ、1000年以上前に祖先から分岐
2023年2月9日、観光客に親しまれてきた奈良公園(奈良市)のシカは1000年以上前に祖先集団から分岐し、その後独自の遺伝子型を持つ系統として長く生き残ったことが、福島大学などの遺伝子解析の結果から明らかになった。研究グループは、奈良のシカが消滅することなく生存できたのは「神の使い」などとして手厚く保護された証とみている。
精子の受精能力獲得の鍵となるタンパク質を発見
2023年2月21日、精子が卵子に受精させる際に起こる「先体反応」に不可欠のタンパク質「FER1L5(ファーワンエルファイブ)」を、大阪大学の研究グループが発見した。マウスの実験で、これが欠損した精子ではほとんど受精が起きず、子ができなかった。FER1L5はヒトの精子にもあり、男性不妊の診断や治療法の開発につながる可能性があるという。
AIが脳画像を解析してうつ病診断
2023年2月24日、人工知能(AI)が脳画像を解析してうつ病を診断し、医師の確定診断を支援する方法の実用化に向けて有望なデータが得られた、と広島大学などの研究グループが発表した。現在、うつ病は医師の問診を中心に診断されているが、精度はさほど高くないため、どう是正するかが課題とされてきた。日本のほか、世界的にもうつ病は増える傾向にある。
レム睡眠の前、グリア細胞が酸性化
2023年3月10日、睡眠のうち夢を見る「レム睡眠」に先立って、脳内のグリア細胞が酸性化することをマウスの実験で発見した。また、神経疾患の「てんかん」の発作が生じやすい状態だと、レム睡眠の時にグリア細胞の酸性化がより強まっていることも分かった。東北大学の研究グループが発表した。成果はてんかんの診断や新たな治療法につながる可能性があるという。
虫の「死んだふりする行動」、緯度が高いほど頻繁で長時間に
2023年4月12日、天敵から逃れるために刺激を与えるとピクリとも動かなくなる「死んだふり行動」をする虫の一つ、コクヌストモドキは、生息している緯度が高くなるほど行動が頻繁になり、持続時間も長くなることがわかった。岡山大学学術研究院環境生命科学学域の松村健太郎研究助教らが明らかにした。死んだふり行動は昆虫学者のファーブルや進化論で知られるダーウィンも興味を持った行動だが、その頻度や時間が南北にかけて変化していく「緯度クライン」を示したのは世界で初めてという。
高齢者に広がる虫歯、タンパク質分解酵素も原因
2023年4月14日、高齢者に広がっている虫歯「根面う蝕(こんめんうしょく)」の原因は、菌が作る酸で歯が溶けることに加え、歯に元から存在するタンパク質分解酵素の活性化も原因であることを、東北大学大学院歯学研究科の高橋信博教授(口腔生化学)らが明らかにした。虫歯の進行を抑える「フッ化ジアンミン銀」や、お茶に含まれるカテキンなどが酵素の働きを抑制することも分かった。
胃がんリスク「ピロリ×遺伝」で大幅に高まる
2023年4月24日、ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)感染と遺伝の要因が組み合わさると、胃がんにかかるリスクが大幅に高まることが分かった。理化学研究所などの国際研究グループが独自のゲノム(全遺伝情報)解析手法により、胃がん患者群と比較対照群の大規模データを詳しく比較して明らかにした。成果は診断精度の向上、原因の遺伝子を標的とした治療法の開発、予防策などにつながるという。
エタノールの吸入 マウスのインフルエンザを抑制
2023年5月17日、A型インフルエンザに罹患したマウスにエタノール蒸気を適切な濃度で吸入させると、感染を抑制できることが、沖縄科学技術大学院大学の研究で明らかになった。手指などのアルコール消毒に使われるエタノールを、呼吸器に吸入することでウイルスの被膜を壊し、不活化するという。今回の結果を基に、ヒトへの応用や新型コロナウイルスに対する効果の可能性などについて研究を進める考えだ。
野菜の大敵「うどんこ病」、菌寄生菌で農薬に依存せず撃退
2023年5月21日、野菜の葉に感染して収量を減らす病原菌「うどんこ病」の感染拡大を菌に寄生するカビ(菌寄生菌)で抑制できることを、近畿大学のグループが明らかにした。環境へ負荷がかかる化学農薬(殺菌剤)に依存しない新たなうどんこ病の防除対策として、3年後をめどに実用化への道筋をつけたい考えだ。
遺伝子の消えやすさ、ゲノムの特徴も関係か
2023年6月13日、進化の過程で生物から遺伝子が消えていく要因には、機能の要不要だけでなくDNA配列などゲノム(遺伝情報)の物理化学的な特徴も絡んでいる可能性があることを、国立遺伝学研究所などが発表した。研究チームが哺乳類の遺伝子情報を解析し、明らかにした。将来的には、病気を引き起こしやすい遺伝子の探索に応用できる可能性がある。
心不全患者の予後、AIが胸部X線画像から予測
2023年6月14日、胸部X線画像から、心不全の確率や患者が退院後に再発する可能性を算出できる人工知能(AI)を開発したと、徳島大学と帝京大学が発表した。循環器内科を専門とする医師以上の精度で予後を推定できるとみられる。2024年度中の臨床研究開始を目指し、将来的に医療機器として国の承認を受けたい考え。へき地医療などへの応用も期待している。
ミトコンドリアに直接コエンザイムを届けて肝障害克服
2023年7月5日、解熱剤などに用いられるアセトアミノフェンによる肝障害の治療薬物として、コエンザイムQ10を活性酸素の発生源となるミトコンドリアに直接送り届けるカプセルの開発に北海道大学の研究グループが成功した。カプセルをマウスに投与したところ、肝機能が回復していることが確認できた。臨床に応用できれば、肝障害の速やかな治療につながる。
細胞増殖が生きたまま分かる実験用マウスを開発
2023年7月6日、生きたまま少量の採血をすることで、体内の細胞の増殖がよく分かる実験用の遺伝子改変マウスを開発したと、東北大学などの研究グループが発表した。このマウスを使い、肝臓や膵臓(すいぞう)の細胞の増殖が分かった。実験動物の使用を抑えつつ、糖尿病などさまざまな病気の治療法の開発につながる期待があるという。
長寿のハダカデバネズミ 老化細胞がたまりにくい仕組みを発見
2023年8月3日、アフリカ東部に生息するハダカデバネズミの体内では、加齢に伴い蓄積する老化細胞が細胞死を起こしてたまりにくくなっていることを、熊本大学大学院生命科学研究部の三浦恭子教授(長寿動物医科学)らのグループが発見した。寿命が3年ほどのハツカネズミ(マウス)より10倍ほど長寿とされるハダカデバネズミの細胞・個体の仕組みを解明。ヒトでのより安全な老化細胞除去・抗老化技術の開発につながる成果が期待できるという。
ハブ毒の酵素で認知症原因物質分解
2023年10月18日、毒蛇のハブが持つ毒素から精製したタンパク質分解酵素が、アルツハイマー型認知症の原因物質とされるアミロイドベータを分解することを東北大学などの研究グループが発見した。人間の体内酵素がアミロイドベータを分解することは知られていたが、生物の毒素も効果的だと分かったのは初めて。アルツハイマー病の新たな治療法の開発につながることが期待されるという。
【地学分野】2023年度に出題されそうな時事問題
情報収集衛星レーダー7号機打ち上げ成功
2023年1月28日、政府の情報収集衛星レーダー7号機を搭載したH2Aロケット46号機が26日午前10時50分21秒、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。衛星を所定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。
緊急地震速報に「長周期」予測を追加
2023年2月3日、気象庁は、大地震に伴って生じるゆっくりとした大きな揺れの「長周期地震動」の予測を緊急地震速報の発表基準に追加し、2月1日から新たな地震防災情報の運用を始めた。4段階ある同地震動の階級のうち、上から2番目の3以上が予測される地域が対象になる。高層ビルが増えたことから高層階にいる人などに注意を呼びかけ、身を守る行動に役立ててもらうのが狙いという。
新宇宙飛行士候補に国際機関職員の諏訪さん、外科医の米田さん
2023年2月28日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、新たな宇宙飛行士候補に、世界銀行上級防災専門官の諏訪理(まこと)さん(46)と、日本赤十字社医療センター外科医の米田(よねだ)あゆさん(28)の2人を選出したと発表した。
若田さんISSから帰還
2023年3月13日、国際宇宙ステーション(ISS)で5カ月間の滞在を終えた若田光一さん(59)ら4人の飛行士を乗せた米スペースX社の宇宙船「クルードラゴン」が日本時間12日午前、米フロリダ州タンパ沖に着水し、地上に無事帰還した。若田さんは滞在中に自身初となる船外活動を2回こなしたほか、各種の実験を行うなど精力的に活動。5回目の飛行を完遂した。
「ハクトR」民間初の月面着陸に失敗
2023年4月26日、宇宙ベンチャー、アイスペース(東京)の月面探査計画「ハクトR」の着陸機が日本時間26日未明、月面への軟着陸を試みたが、通信が途絶え失敗した。降下の最終段階で高度のデータに誤差が生じたため、燃料が切れて月面に激突したとみられる。
ブラックホールに吸い込まれる「降着円盤」撮影成功
2023年5月12日、宇宙のブラックホールに吸い込まれるガスでできた「降着円盤」の撮影に、国立天文台などの国際研究グループが初めて成功した。4年前に初撮影したブラックホールを取り囲むもの。高速で噴き出すガス「ジェット」も同時に撮影しており、ブラックホールの詳しい仕組みなどを理解する手がかりになるという。
トンガ沖海底火山噴火で電離圏に穴
2023年6月22日、2022年1月のトンガ沖海底火山噴火後に発生した、大気上層部の電離圏で電子密度が急激に低くなる「プラズマバブル」生成の解析に成功したことを名古屋大学宇宙地球環境研究所などのグループが明らかにした。「電離圏の穴」とも呼ばれ、宇宙空間の出来事に由来すると考えられてきたが、地表の現象の影響も受けていることが判明。
線状降水帯シミュレーションを全国で実施
2023年7月27日、局地的な豪雨をもたらす「線状降水帯」の予測精度を向上させるため、気象庁が理化学研究所(理研)のスーパーコンピューター「富岳」を使った予測モデルのシミュレーション実験を全国規模で実施している。実験はこれまで西日本を対象にしていたが、6月8日からは対象を東日本や北日本も含めた全国に拡大。実際の気象データを使って10月末まで実験を続け、地域ごとの線状降水帯発生予測システムの実現を目指すという。
古川さんISS到着、2回目の長期滞在を開始
2023年8月28日、古川聡さん(59)と米欧露3人の宇宙飛行士を乗せた米スペースX社の宇宙船「クルードラゴン」が日本時間26日、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、約30時間かけて国際宇宙ステーション(ISS)に到着。古川さんらが半年間の滞在を開始した。日本人のISS長期滞在は12回目で、古川さんの飛行は12年ぶり2回目。
米国版はやぶさ「オシリス・レックス」地球帰還
2023年9月25日、米探査機「オシリス・レックス」が日本時間24日夜、小惑星「ベンヌ」で採取した試料を収めたカプセルを地球上空で分離した。カプセルは米ユタ州の砂漠に着陸したと、米航空宇宙局(NASA)が発表した。カプセルには推定約250グラムの試料が入っており、正式に確認できれば、米国は「はやぶさ」「はやぶさ2」の日本に続き、小惑星の試料回収の2番目の成功国となる。
日本南方海域の水塊が台風発達に影響
2023年10月13日、日本列島の南方海域の海中にある巨大な水塊の厚さの変化が台風の発達や衰弱に影響を与える、との解析結果を東京大学など5大学と1研究機関が参加する共同研究グループが発表した。この水塊は「亜熱帯モード水」と呼ばれ、深さ100~500メートルに広く分布。厚くなるほど台風の勢いを弱め、薄くなるほど強めるという。地球温暖化が進むと水塊は薄くなると予想されることから、台風の強大化が懸念される。
銀河中心ブラックホールの周囲、ガスの大半が循環
2023年11月14日、銀河の中心にある巨大ブラックホールに落ち込むガスが、実はブラックホールの成長にはほとんど使われず流れ出た後、再び落ち込んで循環していることを解明したと、国立天文台などの国際研究グループが発表した。日本が主導する南米チリのアルマ望遠鏡の観測で、天の川銀河の至近にある「コンパス座銀河」を詳しく調べ、ガスの流れの仕組みを解明する中で分かった。
2024理科の時事問題
注目の「2024理科の時事問題」は、次の5つです。
- はやぶさ2【要注目!】
- 新型コロナウイルス
- SDGs
- ノーベル賞
- マイクロプラスチック
高校受験で理科の時事問題が一番役立つ場面は「面接」です。
面接で最近気になったニュースを問われた際に、理科のネタを話すと面接官が「おっ」と思うのでインパクトを与えることができます。
多くの受験生は社会ネタで回答する可能性が高いので、一味違うところを見せて評価アップを狙いましょう。
この記事が役立つことを祈っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。