夏休みの自由研究。
「何をテーマにすればいいか分からない・・・」
という相談を教え子から必ず受けます。
自由研究は中学生にとって絶対に避けては通れない課題で、休みが長いせいで中途半端なものは出せないというプレッシャーが結構大きくなります。
この記事では現役の理科教員が「自由研究のテーマの決め方」を紹介します。
この記事を読めば、あなたにぴったりな自由研究のテーマがきっと見つかるはずです!
以下は僕の自己紹介です。

自由研究のテーマの決め方
まずは、自由研究テーマの決め方からです。
自由研究のテーマを決めるときには、次の3つのポイントを意識して決めるようにしましょう。
- 手に入りやすい材料を使った自由研究にする
- インドアかアウトドアに振り切った自由研究にする
- 好きや楽しいをカタチにする自由研究にする
この3つのポイントをしっかり押さえてることで、自由研究のテーマを正しく決められるはずです。
自由研究のテーマの決め方を失敗すると・・・最悪の場合、最初からやり直しになる羽目になりかねません・・・。
自由研究のテーマの決め方は、めちゃくちゃ大事になります。
手に入りやすい材料を使った自由研究にする

自由研究を始めるときに、一番面倒なことは「材料集め」です。
材料集めに労力をかけるのは、避けましょう。
大がかりな実験を行う場合には、前もって通信販売などを活用して材料を注文したり、わざわざ材料を買いに行ったり、たくさん集めたりする必要がある自由研究は準備に時間がかかってしまいます。
夏休みの終盤に自由研究を行うとなると、時間をかけることが難しいです。
自由研究で使う材料は可能な限り「家にあるもの」や「近所の100円ショップで手に入りやすいもの」にするのが望ましいです。
ペットボトル、ダンボール、新聞紙などのように最終的にはリサイクルされるものを活用してエコな自由研究を行うのもSDGsの観点からも良いと思います。
インドアかアウトドアに振り切った自由研究にする

多くの場合、自由研究のテーマをいくつか考えてその中から絞り込むという中学生が大多数のはずです。
自由研究のテーマを絞り込むときに、アウトドア(屋外でできる自由研究)とインドア(屋内でできる自由研究)に分けて選ぶようにしましょう。
【アウトドア】
生物の観察、気象観測、野菜の栽培などが自由研究のテーマになるでしょう。
【インドア】
実験、工作が自由研究のテーマになるでしょう。
観察はアウトドアでないとできない自由研究と、インドアでできる自由研究に分かれます。
特に中学生が夏休みに自由研究をする場合には、気象条件や時間に左右されないインドアで行う自由研究がおすすめになります。
インドアで行う自由研究がおすすめな理由は、部活で忙しい中で継続した観察は難しいからです。
次に、アウトドア(観察、観測)とインドア(実験、工作)についてそれぞれ理科の先生という立場から、アドバイスをします。
観察の場合
観察は自由研究のテーマとして選ばれやすいもので、観察を自由研究のテーマにする場合は注意するべき点が2つあります。
1つ目は、観察するものによっては時間がかかることです。
既に発芽している植物の観察をする場合は問題ありませんが、発芽から成長を観察する場合は夏休みに入ってから準備を始めていては間に合いません。
夏休み中に観察をしようと思うのであれば、種まきのタイミングは…
種まきのタイミング | 野菜の種類 |
---|---|
6月 | 枝豆 いんげん キュウリ 小松菜 |
7月 | キャベツ ブロッコリー カリフラワー 大豆 |
となります。自由研究のテーマによっては、6月から準備をしておく必要が出てきます。
2つ目は、調べる項目を絞り込むことです。
大きなテーマで観察を行うと、研究全体がぼやけてしまう危険性が高くなります。
例えばブロッコリーをテーマに自由研究をする場合は、ブロッコリーの発芽条件を調べるようにするべきです。
「明るい場所か暗い場所か」、「涼しい場所か暑い場所か」など条件を変えて観察し、最適な発芽条件を探ると自由研究の質が高まります。
観測の場合
観測するのは、天気などの身近なテーマになると思います。
観測に関して一番大事なことは、継続することです。
しかし、期間が長くなればなるほど自由研究の難易度は高くなります。毎日データを取るのはかなり大変だからです。
自由研究のテーマは、1回15分程度で(どんなに長くても30分以内)調べられる手間のかからないテーマを選びましょう。
※1日3回、各5分で調べられるというテーマが理想的です。
また、3日より1週間、1週間より1ヵ月、1ヵ月より3ヵ月というように観測の期間が長ければ長いほど、自由研究としての質が高くなります。
観測の期間が長ければ長いほど自由研究の質が高くなる理由は、研究で得られる情報量が増えるだけでなく、「情報の信頼性」が高くなるからです。
中1の夏休みから中3の夏休みまで、継続的な観測ができれば高評価間違いなしの素晴らしい自由研究になるでしょう。
実験の場合
自由研究の中でも、実験はテーマ選びが難しい分野になります。
テーマ選びが難しい割に中学生は実験を希望しがちなので、家庭でも実験がしやすいテーマ選びが大事になってきます。
※実験がしやすいというのは、手軽にできるという意味で捉えましょう。
家庭でも実験がしやすい自由研究をテーマにする場合は「手に入れやすい材料でできる実験」を第一に考えましょう。
例えば、夏野菜であるブロッコリーはDNAの抽出に最適な素材です。
自由研究にオリジナリティーを出すために、余ったブロッコリーを調理してレシピを作成するするのも面白いですよね。
工作の場合
工作の醍醐味は「創意工夫ができる」ことです。
例えば、ペットボトルロケットの作成を自由研究でするなら・・・
- 今まで誰も作ったことのない形のペットボトルロケットを作成する
- 普通のペットボトルロケットを改良して、飛行距離を延ばす
- 3種類のペットボトルロケットの作成し、飛距離や構造を比較する
といった研究方法が考えられます。
新たなものを作り出すことも自由研究となりますし、すでにあるものを改良する、工作したものをいくつかのパターンで作ってみて、違いを比較するのも面白いです。
好きや楽しいをカタチにする自由研究にする

自由研究のテーマは、好きや楽しいを基準にして決めると良いです。
あえて苦手意識のあるテーマにしようという中学生はいないとは思いますが・・・苦手意識のあるテーマを自由研究をすると途中で投げ出してしまう可能性が高くなります。
自由研究には前向きに取り組むことを優先しましょう。好きや楽しいをカタチにすることで、充実した内容の自由研究になるはずです。
保護者の「自由研究のテーマは自分で決めて、取り組むべき」という考え方は共感できますが、自由だから自由研究のテーマ選びで迷って決められない中学生も多いでしょう。
まずは「好きや楽しいをカタチにする自由研究にする」という視点から、正しい自由研究のテーマの決め方を解説していきます。
興味・関心のあることをガンガン追求するスタイル
これは定番のスタイルですね。
興味・関心のあることをテーマに自由研究をすればモチベーションも高くなるはずです。
理科が好きな生徒なら、日常から不思議なことに敏感でしょうから比較的簡単にテーマが決まるでしょう。
理科に苦手意識のある生徒の場合は、難しいテーマではなく簡単なテーマで自由研究をするといいと思います。
- 消しゴムで文字が消えるのはなぜ?
- 飛行機が飛ぶしくみは?
- 胃はどうして胃液で溶けないの?
こんな素朴な疑問を、中学生なら誰でも持っているはずです。
また、研究の方法を工夫してみると面白いかもしれません。
例えば、流行りのYouTubeが好きであれば、自由研究を動画の撮影や編集と言う形でまとめてみるなど工夫次第で色々なアプローチも見えてきます。
自由研究で大切なことは、「興味・関心」を持つことです。
大人の立場からすると「そんなに簡単なことを自由研究のテーマにするの?」と思うかもしれませんが、自分が興味・関心を持つテーマに沿って自由研究に取り組み、やり遂げることが大きな財産になります。
やり遂げることで、充実感や責任感を持つことにつながるからです。
学校の授業で学んだことを再確認するスタイル
感染症の影響もあって、理科の授業で実験する機会がないのではないでしょうか?
理科の授業では「教科書に載っている実験の説明を受けるだけ」、「映像で実験を見るだけ」というパターンも多いはずです。
実験を「演示」で見て終わりだったり、グループで実験を行う場合は道具の数に限りがある場合はなかなか満足に実験ができないのが実情になります。
実験の目的やその現象が起こる理由を考えず、「結局、この実験って何だったの?」や「実験=楽しい」で終わっている中学生が圧倒的多数を占めています・・・。
そこで、「自由研究」を利用して自分で理科の実験をやり直すのはどうでしょうか?
自由研究のテーマは自由に決めて良いので、自分で理科の実験をやり直しをするのはアリです。
学校とは違って、道具や薬品が純分揃わないので、その代用品を考えたり、学校ではしなかった組み合わせにチャレンジしてみるなどアイデア次第で面白い自由研究ができます。
実験する際には「考察」することが重要です。万が一、実験に失敗した場合でも「なぜ失敗したのか」を考えることで素晴らしい自由研究になるでしょう。
未知の領域へ足を踏み入れるスタイル
未知の領域へ足を踏み入れるという自由研究はハイレベルな感じがします。
言葉が大げさな感じで、難しいように感じますが意外と簡単です。
興味や関心は深掘りすることで、自分の知らなかったことを新発見できたり、すでに知っていることの中から再発見するという「気づき」を得られます。
興味・関心を深掘りするだけでなく、拡大するという方法もあります。興味や関心のあることの「周辺」から広げていく方法です。
例えば、自由研究のテーマに原子力発電所を行っていたとしたら、火力発電などの他の発電方法も併せて研究するといいうイメージを持ってください。。
とはいえ、興味・関心の深掘りも拡大も中学生(特に中1)には難しい場合も多いので、そこは周囲の大人が知識や経験を活かしたアドバイスをするのが良いでしょう。
僕も先生という立場上、質問攻めにあうことがありますが知らないことや答えられないことがあります。次の授業の授業のときに回答するのですが、自分の知らないことを調べるって結構面白いです。
保護者が生徒と一緒に調べたり、実験したりすることも自由研究の魅力なんじゃないかと思います。
自由研究を通して、親子で時間を共有できるってステキなことですよね。
具体的な自由研究のテーマを紹介
どうしてだろう?と疑問に思うことが自由研究のテーマになります。
特別やってみたいことが見つからない場合は、教科書の内容を参考にテーマを決めると良いでしょう。
というように、理科には自由研究のテーマにできることがたくさんあります。
説明をしたように・・・
- インドアかアウトドアに振り切った自由研究にする
- 好きや楽しいをカタチにする自由研究にする
- 手に入りやすい材料を使った自由研究にする
以上の「3つのポイントと教科書の内容をリンクさせて」自由研究のテーマを決めてください。
それでは、物理分野、化学分野、生物分野、地学分野についてテーマを決める時に気を付けるべきことを見ていきましょう。
物理分野

物理を自由研究のテーマにする場合、研究対象となるテーマを決めましょう。
光や音などのように「目に見えない現象」をテーマにするよりも・・・
を自由研究のテーマすると良いでしょう。
「物体の運動」を自由研究のテーマにすすめる理由は、「物体の運動によって移動時間を測定する自由研究」がレポートを書きやすいからです。
物体はバスや電車などが適しています。模型を自作して研究するのも好印象になるでしょう。
ソーラーカーを作って、いかに長く・速く走らせるかを研究するのも面白いと思います。物体が移動する速さの計算が理科の授業内容とリンクするはずです。
また、ソーラーパネルの歴史や仕組みを研究すると自由研究としてのレベルアップが期待できます。
「電気」を自由研究のテーマにするときは、理科の授業内容である電気回路を組み合わせると良いでしょう。
電池ソケット、モーター、LED、簡易扇風機などを組み合わせて回路を作成するのも面白いです。
100円ショップやホームセンターに行って、予算内で回路を作成するために創意工夫するだけでも中学生にとっては勉強になるでしょう。
扇風機の回転方向を逆にすることで、扇風機と掃除機を兼ねる装置を作ってみたら面白いです。
電流の正体など、深掘りできる内容も多いのも電気を自由研究のテーマにするメリットだと思います。
化学分野

基本的に化学分野では得られた結果に対し、その結果に至った現象が「なぜ起こったのか」を明らかにすることが重要です。
化学の研究では、目に見える化学変化と目で見えない化学変化があります。
言うまでもなく、化学の面白さは『目に見える変化』にあります。変化を写真で表現するとともに、なぜそのような変化が生じたのかを考えることが重要です。
一方で目に見えない化学変化にはどう対応したらよいでしょうか?
目に見えない化学変化はどうすればわかりやすいレポートにできるかが重要です。例えばイラストで図示することができれば、格段にわかりやすさがアップします。
ここまで化学の説明してきましたが、塩酸や水酸化ナトリウムといった危険な試薬を自宅で使うことは禁止です。
したがって、化学変化をテーマにする際にはどうしても発展的な学習は困難になります。
塩酸や水酸化ナトリウムの代わりに混ぜるな危険と書かれた洗剤を使用するのは非常に危険です。
薬品の取り扱いを誤ると命の危険をまねく危険性の高い材料もありますから、使用前に取り扱い方法を十分確認する必要があります。
使用できる薬品の制限と危険性を考えると、違う視点から化学をテーマにするのもアリです。
例えば、最近話題の『電気自動車』を研究テーマにするのはどうでしょうか?
電気自動車がどの様な仕組みなのかを研究すれば化学変化も含めて勉強になります。また、将来性や現在の問題点(価格の高さや充電スポットの問題)を研究テーマにすれば、素晴らしい自由研究になるはずです。
生物分野

生物分野の自由研究と言えば「昆虫採集」や「植物の飼育」を思いつく人が多いと思います。
昆虫に関しては多くの場合、お盆などに田舎に帰省した際に昆虫を採集することが多いと予想されます。
生態系の保全の観点から、昆虫は元居た場所に返すことが大事になるので、日常の環境で身の周りの昆虫をテーマにするようにしてください。
植物の飼育に関しては、ホームセンターで売られている種子や苗であれば特に問題はないと思います。
中学生にぜひ研究して欲しいテーマが「遺伝子」や「遺伝子工学」です。
遺伝子の学習に関しては、DNAに関するものが分かりやすいと思います。DNA模型の制作や身近な食物からDNAを抽出するのはきっと中学生の好奇心を刺激するテーマでしょう。
日本は遺伝子工学の分野で世界トップクラスの研究結果を出しており、「iPS細胞」など聞いたことはあるけどよくわからないというワードを徹底的に調べる自由研究は非常に有益です。
ただし、遺伝子に関する研究は日々進んでいるので、自由研究で引用する文献や資料は最新のものかを確認して参考にするようにしてください。
地学分野

地学分野をテーマにすると「環境」とのつながりを強く感じるはずです。
例えば、「地震」や「気象」が代表的な地学のテーマになるでしょう。
地震大国日本に生まれた中学生は、多かれ少なかれ地震を経験しているはずです。
地震の起こる仕組みを研究するなら、日本で起こる地震の仕組み・・・だけでなく「外国で起こる地震と日本で起こる地震との違い」を研究するなど視点を変えれば自由研究の質が深まります。
他にも、防災について研究すると自由研究の内容を拡大することも可能です。
気象に関しても、天気予報のしくみを調べてみてはどうでしょうか?
多くの中学生は、気象衛星を用いて天気予報が行われていることまでは知っていますが、それ以上のことは知らないはずです。
残念ながら、中学校の理科でも深掘りしない部分の1つです。調べてみると、何で天気予報が当たらないかも分かるかもしれません。
世の中ではさまざま所で快適に生きるための工夫が行われています。周囲に目を向け、研究すれば新しい発見があるでしょう。
自由研究のテーマの決め方
自由研究のテーマを決めるときには、次の3つのポイントを意識して決めましょう。
- 手に入りやすい材料を使った自由研究にする
- インドアかアウトドアに振り切った自由研究にする
- 好きや楽しいをカタチにする自由研究にする
この3つのポイントをしっかり押さえてることで、自由研究のテーマがバッチリ決まるはずです。
自由研究が最初からやり直しにならないようにするためにも・・・きちんと自信を持って進められる自由研究のテーマを決めましょう。
具体的なテーマで迷ったら、自由研究の面白いテーマを読めばバッチリです。
テーマが決まって、自由研究が終わったらレポートにまとめていきます。
まとめ方は自由研究のまとめ方の記事を読めばバッチリです。
だいぞー先生に直接質問して頂くことも可能です!
LINE@
困ったことがあれば、ご連絡を。
最高の自由研究を通して、充実した夏休みにしてください!
追記:2020年7月27日
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