中学の化学で酸性やアルカリ性のpHを調べるときによく使うのが、「BTB溶液」や「フェノールフタレイン溶液」などの指示薬です。
BTB溶液にいたっては、生物の光合成や呼吸に関する実験でも使われることがある指示薬になります。
この記事では学校で使う指示薬と同じように使える指示薬を「紫キャベツ」を使ってつくる方法を紹介しています。
また、紫キャベツを使った自由研究にありがちな”指示薬をつくるだけ”で終わりではなく、『紫キャベツの指示薬を使って虹をつくる方法』も紹介していきます。
以下は僕の自己紹介です。
紫キャベツを使った指示薬づくり
紫キャベツを使って指示薬をつくり、色々な水溶液の酸性・アルカリ性を調べること
分野 | 化学 |
難易度 | ★★★ |
必要な時間 | 90分 |
準備物
紫キャベツを使った指示薬づくりの準備物は、次の通りです。
材料
- 紫キャベツ
薬品
- 酸性の水溶液
- アルカリ性の水溶液
- 炭酸ナトリウム
- 塩酸
- (エタノール)
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器具
- まな板
- 包丁
- ビーカー ※容器で代用可
- 試験管×5本
- ビニール袋
- 脱脂綿
- はさみ
- ガラス棒
- 薬さじ
- 点眼ビン ※駒込ピペットで代用可
- (ろ過装置)
- (加熱器具)
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手順
紫キャベツを使った指示薬づくりの手順は、次の8つのSTEPです。
アレンジ
紫キャベツを使った指示薬づくりのアレンジ方法を2つ紹介します。
エタノールを使った抽出方法
エタノールを使う方法でも、紫キャベツの色素を抽出することができます。
エタノールを熱するときには、引火しないように「湯せん」しましょう。
紫キャベツ以外の材料を使う
紫キャベツ以外にも、花や野菜、食品を使って指示薬をつくることができます。
- ナスの皮を使うときは、少量のミョウバンを加えると抽出しやすくなります。
- ティーバッグを使うときは、できるだけ濃度が濃いものをつくりましょう。
- ターメリックやカレー粉を抽出するときには、エタノールを使った抽出法で実験を行いましょう。
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アドバイス
- 紫キャベツは切ってから冷凍庫で保存しておくと、長期保存できます。
- 紫キャベツの指示薬は腐敗するので保管ができません。その日のうちに使い切りましょう。
- 【STEP2】でビニール袋のすみに脱脂綿を入れるのは、【STEP4】でろ紙の役目をさせるためです。
【STEP7】で塩酸を加える際は少しづつ加えましょう。
※急激に加えると炭酸ガスが発泡し、試験管からあふれてしまいます。
- 【STEP7】でかきまぜるときには、試験管の壁をなぞるようにして回しながら、少しづつ引き上げましょう。
- 【STEP8】で一番上の赤い層が消えたときは、塩酸を追加しましょう。
考察ポイント
- 【STEP5】で酸性の水溶液に紫キャベツの指示薬を入れたときの色の変化(赤紫色・赤色)と、その原因を押さえましょう。
- 【STEP5】でアルカリ性の水溶液に紫キャベツの指示薬を入れたときの色の変化(青紫色・緑色・黄色)と、その原因を押さえましょう。
※pHの異なる酸性とアルカリ性の水溶液をそれぞれ複数用意して、色が変わった後の試験管を一列に並べて実験結果を写真でのせる方法がおすすめです。
- 【STEP8】についても、色の変化はアントシアンによって起こる現象なので、高校の化学の範囲になってしまいますがアントシアンの構造について詳しく調べることが高評価につながるでしょう。
- アントシアンは植物細胞にある液胞にも関係する物質なので、生物学と関連させるのも面白いと思います。
自由研究で困ったら…
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事が自由研究の役立つことを祈っています。
最高の自由研究を通して、充実した夏休みにしてください!